市民連合 全国意見交換会の報告(2)

皆さまへ

先ほどの続きです。
全国各地からの報告とともに、「衆議院選挙の総括と今後の取り組み方針(案)」への意見・質問がありました。

◆北海道2区
候補者と地域での「政策合意」を交わそうとしたが、立民・中央の意向があった出来なかった。
1次産業の衰退、JR北海道の廃線、「核ゴミ」最終処分場受け入れ問題など、地域の課題を取りあげられず残念。

◆山形県
2022年参院選の候補について、現在、現職は国民に所属。
2016年参院選当時は、市民連合は存在しなくて、5者協議(連合は参加、共産党は除く)によって統一候補が決定。
そのとき当選した舟山やすえさん、2020年国民へ入党。県民に対する説明はなかった。
舟山さん、2022年参院選へ出馬表明。立民・国民・連合の3者協議もスタート。
まずは舟山さんと話すことに尽力。候補者として適当なのかどうかも含めて。
女性で顔を出して活動していると危険なこともある。そうしたことも配慮しつつ、ジェンダー・バランスを考えてほしい。

◆福島県
2022年参院選が重要課題。早めに対応したい。
すでに自民党は巻き返しに入っていて、県民健康調査検討委員会の座長の星医師を候補者として発表。
2016年野党統一候補として当選しその後自民党へ移った増子輝彦さん、元職の岩城光秀さんも表明し、保守乱立状況へ。
野党との情報交換を求めていきたい。
野党候補としては、原発ゼロ・戦争はダメ・憲法を守ることを表明できる方であってほしい。
福島県は面積が広く(日本3番目)、オンラインとMLで情報交換しつつ対応している。
マスコミ関係者から言われたのが、野党各党は市民連合を重視していないということ。
重視させるためにも、ある程度のパワーをもって対応したい。
ジェンダー・バランスについては「高齢者がいて入りにくい」といった声もあることに留意。

◆東京都・千葉県
(総括案に対して)
・野党も市民も不十分といった「一億総懺悔」にならないようにしたい。
・一般市民に広く訴えるためには経済対策が不足していたのではないか。
・国民への配慮があったのかもしれないが、「改憲NO」を加えてほしい。自治体選挙にとりくむ中で「大人の文化祭」をしよう。シングルイシューの団体との提携を通じて、市民連合をプラットフォームとして、トータルな政治改革につなげる役割を果たしていきたい。
・政策に公選法の抜本改革を加えてほしい。有権者の訴求力向上のためには、合意拡大も必要ではないか。

◆静岡3区
早くから街宣などの活動をすることで、他候補が立候補しにくい雰囲気づくりができた。
候補者が連合に配慮、勝手連的な活動しかできなかった。

◆神奈川県
横浜市長選で山中候補が50万票(33.6%)で圧勝した「横浜ショック」で、菅おろし・岸田への交代が起きた。
18区のうち1区・4区・5区・8区・9区・12区・13区・16区の8選挙区で野党候補が勝利。
共産・畑野君枝さんが比例復活できなかったのは残念。
2022年参院選では、1人衆議院へ転じたため、4人区ではあるが5人選出することになる。厳しいが取りに行きたい。

◆静岡県
8選挙区のうち6選挙区で一本化される。市民連合が関わりを持てたのは4選挙区のみ。
「立憲共産党」批判。政権選択を体制選択のように扱われた。
川勝知事が勝った知事選では、リニア・大井川の水問題に絞り、争点を明確化したことが勝利の要因。
一つで全体が表現できるようなスローガンが大切。
ファシズムが強まるなか、人民戦線的なものが必要。

◆岐阜県
2016年結成の「ピースハート岐阜」が機能していない。
立民・国民・連合の3者協議で合意をはかろうとしている(共産はずし、市民連合はずしの可能性もある)。

◆愛知県
県内選挙区の市民連合を「つなげる会」とともに、「市民連合愛知」もあり、これまで共同で対応してきたが、二重構造は何とかしたい。
市民側の力量強化をめざしたい。
2021衆議院選では、維新が伸びた、国民・自民の区割りが明確、自動車・電力が強い連合で市民連合を共産系と見なし冷淡。
県議会でも共産党を除きオール与党体制。
2022年参院選は4人区で現在は「自民・公明・立民・国民」で分けているが、維新の動きに注意。

◆大阪府
19選挙区のうち16選挙区に市民連合がある。
2022年参院選は、大阪府は4人区。現状、8人の参議院議員に立民議員は0。
自民・公明・維新で分け合う状況に対して、4人区ではあるが、1人区と同じく野党候補の一本化をはかることが必要。

◆兵庫県
立民の足腰の弱さが目立った。市民連合は日常的な諸課題にも取り組むことが大切。
政党側は「野党間の共闘」しか頭にないが、「市民と野党の共闘」であり、候補者調整でも政党と対等に、本気の共闘をくむ、選対にも入れるようにしたい。
2022年参院選は、兵庫県は3人区。現状、6人の参議院議員に立民議員は0。
大阪・京都・兵庫は、野党候補の一本化をしないと、自民・公明・維新に独占される。大ビンチである。

◆岡山県
岡山いっぽんが5選挙区にある。いっぽんcafeを各地で開催している。現在のテーマはジェンダー問題。
政権交代をめざした政策合意であったが、立民候補に本気度が感じられなかった。
日常活動が活発な選挙区で候補が一本化されなかったことには不満が残った。

◆徳島県
政策提示だけでは不十分。実現するための方策、あるべき社会像の提示も提言を。
四国ブロック内での協議も提案してほしい。

◆高知県
立民に対して、比例でも共闘をと申し入れてほしい。
野党共闘を妨害した連合に対しては、意見書の提出を予定。
参院選に向けての政策合意を早めに決めてほしい。

◆事務局からの回答(福山真劫さん)
総括案に対して、大筋合意が得られていると感じている。
①野党共闘の形成について
共産党はずし、市民連合はずしの分断攻撃に反対、5党の野党共闘をめざしたい。
連合の基本姿勢は、共産党との共闘にはくみしないが、候補者については政党間で調整をである。連合内にも、共闘を支持と共産はずしが混在。
立民・新体制(泉・西村)については、共闘をつくることができるのか?揺れている状況。
国民も、維新と提携しようとしているのは前原+α。こちらも引き戻せるよう尽力したい。
維新は補完勢力であることは明らか。大阪府・兵庫県・京都府では戦い方に工夫が必要。
②政策について
選挙の政策と市民連合の政策は区別。また、絞るのか? 広げるのか? 議論あり。
中央での政策合意とともに、地域での政策合意は追求してほしい。
③市民連合の力について
力量強化、可視化も図りたい。
④運動のあり方について
2022年はオール沖縄による選挙が続く。提携を深めたい。改憲阻止を総かがり行動とともに行っていく。
様々な課題への取り組みは諸団体と協議しながら、自治体選挙についても可能な範囲で取り組んでいく。
⑤「政権交代」の評価について
緻密な議論、リアリティーのある議論が不足していた。

◆「まとめ」広渡清吾さん(学者の会)
2022年参院選では1/3確保できるかどうかの瀬戸際にある。確かな改憲反対議員は2019年は27人。2022年は少なくとも同数の勝利は必要。
立民は日和った、マスコミはネガティブキャンペーンを繰り返す。市民連合は、選挙だけではダメ、民意を変える運動をめざすべき。
市民が野党を結んで政権交代をめざしたプロジェクトである。「21世紀型の運動」をめざそう。政党は?組合は?どうあるべきか、市民の側から突きつける新しい市民運動を形成しよう。

以上です。
次回、全国意見交換会は2月5日(土)14時~、オンライン開催となります。
1月20日(木)に金子勝さんの講演会も予定。

なお、参院選については、改選議席数は124議席。比例区50、1人区32、複数区42。
32の1人区について、2013年は2、2016年は11、2019年は10議席勝利。

事務局・片山純子
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