市民連合 全国意見交換会の報告(1)

皆さまへ

本日(2021年12月25日)、市民連合(中央)による全国意見交換会があり、発言しなかったのでyoutubeのライブ配信で参加しました。公式にアップされましたら、皆さまへ紹介します。

開会挨拶を中野晃一さん(立憲デモクラシーの会)が、特別報告として手塚仁雄さん(立民・幹事長代理)と滝本太郎さん(神奈川13区)が各10分、事務局の福山真劫さんより「衆議院選挙の総括と今後の取り組み方針(案)」などの説明が、そして各地の市民連合からの報告などがありました。とくに特別報告は刺激的なものでした。以下に、概略を2回に分けて報告します。今回は、発言者が多く3時間に及ぶ長丁場でした。

◆中野晃一さん(立憲デモクラシーの会)
全国意見交換会の開催は、今回で19回目。
野党共闘への攻撃が激しいが、効果があったからこそ攻撃されている。
野党共闘は「野党間の共闘」であると同時に「市民と野党の共闘」であった。
後者を欠落させ矮小化している。
本日は、「女性による女性のための相談会」が同時間帯に新宿で開催され、
出席者・発言者のジェンダー・バランスが確保出来そうにない。ジェンダー・バランスについては苦慮している。

◆手塚仁雄さん(立憲民主党幹事長代理)
東京での野党共闘を振りかえる。2020年都知事選がきっかけ。
水面下での調整をうけ宇都宮けんじさんを統一候補として支援、最後にれいわ・山本太郎さんの立候補があったが、成果はあった。
その後、立民と共産で2021年都議選の枠組みについて話し合い、1人区だけでなく2人区などでも共闘し大きな成果。
都民ファーストが最後に追い上げたが、立民都議は3倍増、共産都議も増えた。
こうした「地ならし」があって、2021年衆議院選では2017年4議席が8議席へ倍増、比例票についても立民は目減りが少なく、共産は増えた。
東京では、連合の求めはあったが、共闘するのであれば徹底的に躊躇することなく共に戦うことを決意。
前回は2000票差で敗北し比例復活したが、今回は市民の皆さんと心を一つにして選挙区で勝利。
東京3区以外は選挙区7名・比例復活4名が共闘で議席を獲得。
総選挙後の党内空気の変化はあるが、当選者の多くは共闘の恩恵を受けている。本音と連合を意識した発言は異なる。
自公が連立して20年たった。誰も批判しない。自公のしたたかさを真似たい。
一番感心したのは、共産党が連合からの批判を受けながらも、連合に対して悪口を言わなかったこと、有り難かった。
連合の厳しい発言に対しても、鈍らないようにしていきたい。
全国では比例票を減らしたことで、枝野党首が辞任。政権を託してみよう、政党の安心感・輝きが足りなかった。
保守票が来なかった、第3極の維新に集まったが、軸足を変える必要はない。
あと数%投票率が上がれば、接戦を制することができたかもしれなかった。
もっともっと共闘の枠組みを、しっかりさせたい。次回総選挙から東京は選挙区数が増える。
2022年参院選では、32の1人区は調整したい(東京は6人区)。
議席減は謙虚に受け止めなければならないが、共闘は推進したい。

◆滝本太郎さん(神奈川13区4市共同市民の会・事務局長、弁護士)
4区共同市民の会は2017年4月結成、構成員は約200人で数団体も参加。詳しくはホームページほ見てほしい。
拡大役員会は65回開催。今回、神奈川13区で自民・甘利明さん落選、立民・太栄志(ひでし)さんが勝利。
勝利の要因は9点。
①2017年共産候補は16.3%獲得。今回、10/13に立候補取り下げにより野党統一候補が生まれたということ。
②甘利明さんが自民党幹事長に就任し、2016年の金銭授受事件がクローズアップされたこと。
③太さんが4年間地元で愚直に活動、ポスター枚数も多く、地盤を形成していたこと。
④街宣を昨年から7回実施、最後は公示日直前の10/18に実施。候補統一をと甘利批判を繰り返す。
10/13統一後には、重点地区の大和市内で1万数千枚のチラシを新聞折込に入れた。大和市では投票率が上がった。
⑤反基地で戦う地元の連合組織に申し入れ。
⑥甘利明さん、絶対的に強い候補者ではない。
⑦甘利明さん、72歳の高齢者であった。
⑧郷原弁護士が落選運動を展開。10/22には緊急講演を実施、参加者は少なかったが、youtubeは4万人が視聴。
⑨選挙戦最後に、れいわ・山本太郎さんと太さんがコラボ街宣を実施。
連合中央からの圧力があった。市民の会の構成員が女性が少なく、世代が上に集中しているなどの問題は抱えている。

◆福山真劫さん(市民連合の事務局)
レジュメを使っての報告・提起あり。
市民連合への賛同署名と意見募集 12/24現在2508件。市民連合 (shiminrengo.com)
全国の市民連合に対するアンケート 12/25現在約40件の報告(全体の1/5)⇒提出してほしい、等々。
「衆議院選の総括と今後の取り組み方針(案)」について、ホームページ掲載を予定。1/8締切りで意見募集中。

以上
事務局・片山純子

市民連合 全国意見交換会の報告(2)

皆さまへ

先ほどの続きです。
全国各地からの報告とともに、「衆議院選挙の総括と今後の取り組み方針(案)」への意見・質問がありました。

◆北海道2区
候補者と地域での「政策合意」を交わそうとしたが、立民・中央の意向があった出来なかった。
1次産業の衰退、JR北海道の廃線、「核ゴミ」最終処分場受け入れ問題など、地域の課題を取りあげられず残念。

◆山形県
2022年参院選の候補について、現在、現職は国民に所属。
2016年参院選当時は、市民連合は存在しなくて、5者協議(連合は参加、共産党は除く)によって統一候補が決定。
そのとき当選した舟山やすえさん、2020年国民へ入党。県民に対する説明はなかった。
舟山さん、2022年参院選へ出馬表明。立民・国民・連合の3者協議もスタート。
まずは舟山さんと話すことに尽力。候補者として適当なのかどうかも含めて。
女性で顔を出して活動していると危険なこともある。そうしたことも配慮しつつ、ジェンダー・バランスを考えてほしい。

◆福島県
2022年参院選が重要課題。早めに対応したい。
すでに自民党は巻き返しに入っていて、県民健康調査検討委員会の座長の星医師を候補者として発表。
2016年野党統一候補として当選しその後自民党へ移った増子輝彦さん、元職の岩城光秀さんも表明し、保守乱立状況へ。
野党との情報交換を求めていきたい。
野党候補としては、原発ゼロ・戦争はダメ・憲法を守ることを表明できる方であってほしい。
福島県は面積が広く(日本3番目)、オンラインとMLで情報交換しつつ対応している。
マスコミ関係者から言われたのが、野党各党は市民連合を重視していないということ。
重視させるためにも、ある程度のパワーをもって対応したい。
ジェンダー・バランスについては「高齢者がいて入りにくい」といった声もあることに留意。

◆東京都・千葉県
(総括案に対して)
・野党も市民も不十分といった「一億総懺悔」にならないようにしたい。
・一般市民に広く訴えるためには経済対策が不足していたのではないか。
・国民への配慮があったのかもしれないが、「改憲NO」を加えてほしい。自治体選挙にとりくむ中で「大人の文化祭」をしよう。シングルイシューの団体との提携を通じて、市民連合をプラットフォームとして、トータルな政治改革につなげる役割を果たしていきたい。
・政策に公選法の抜本改革を加えてほしい。有権者の訴求力向上のためには、合意拡大も必要ではないか。

◆静岡3区
早くから街宣などの活動をすることで、他候補が立候補しにくい雰囲気づくりができた。
候補者が連合に配慮、勝手連的な活動しかできなかった。

◆神奈川県
横浜市長選で山中候補が50万票(33.6%)で圧勝した「横浜ショック」で、菅おろし・岸田への交代が起きた。
18区のうち1区・4区・5区・8区・9区・12区・13区・16区の8選挙区で野党候補が勝利。
共産・畑野君枝さんが比例復活できなかったのは残念。
2022年参院選では、1人衆議院へ転じたため、4人区ではあるが5人選出することになる。厳しいが取りに行きたい。

◆静岡県
8選挙区のうち6選挙区で一本化される。市民連合が関わりを持てたのは4選挙区のみ。
「立憲共産党」批判。政権選択を体制選択のように扱われた。
川勝知事が勝った知事選では、リニア・大井川の水問題に絞り、争点を明確化したことが勝利の要因。
一つで全体が表現できるようなスローガンが大切。
ファシズムが強まるなか、人民戦線的なものが必要。

◆岐阜県
2016年結成の「ピースハート岐阜」が機能していない。
立民・国民・連合の3者協議で合意をはかろうとしている(共産はずし、市民連合はずしの可能性もある)。

◆愛知県
県内選挙区の市民連合を「つなげる会」とともに、「市民連合愛知」もあり、これまで共同で対応してきたが、二重構造は何とかしたい。
市民側の力量強化をめざしたい。
2021衆議院選では、維新が伸びた、国民・自民の区割りが明確、自動車・電力が強い連合で市民連合を共産系と見なし冷淡。
県議会でも共産党を除きオール与党体制。
2022年参院選は4人区で現在は「自民・公明・立民・国民」で分けているが、維新の動きに注意。

◆大阪府
19選挙区のうち16選挙区に市民連合がある。
2022年参院選は、大阪府は4人区。現状、8人の参議院議員に立民議員は0。
自民・公明・維新で分け合う状況に対して、4人区ではあるが、1人区と同じく野党候補の一本化をはかることが必要。

◆兵庫県
立民の足腰の弱さが目立った。市民連合は日常的な諸課題にも取り組むことが大切。
政党側は「野党間の共闘」しか頭にないが、「市民と野党の共闘」であり、候補者調整でも政党と対等に、本気の共闘をくむ、選対にも入れるようにしたい。
2022年参院選は、兵庫県は3人区。現状、6人の参議院議員に立民議員は0。
大阪・京都・兵庫は、野党候補の一本化をしないと、自民・公明・維新に独占される。大ビンチである。

◆岡山県
岡山いっぽんが5選挙区にある。いっぽんcafeを各地で開催している。現在のテーマはジェンダー問題。
政権交代をめざした政策合意であったが、立民候補に本気度が感じられなかった。
日常活動が活発な選挙区で候補が一本化されなかったことには不満が残った。

◆徳島県
政策提示だけでは不十分。実現するための方策、あるべき社会像の提示も提言を。
四国ブロック内での協議も提案してほしい。

◆高知県
立民に対して、比例でも共闘をと申し入れてほしい。
野党共闘を妨害した連合に対しては、意見書の提出を予定。
参院選に向けての政策合意を早めに決めてほしい。

◆事務局からの回答(福山真劫さん)
総括案に対して、大筋合意が得られていると感じている。
①野党共闘の形成について
共産党はずし、市民連合はずしの分断攻撃に反対、5党の野党共闘をめざしたい。
連合の基本姿勢は、共産党との共闘にはくみしないが、候補者については政党間で調整をである。連合内にも、共闘を支持と共産はずしが混在。
立民・新体制(泉・西村)については、共闘をつくることができるのか?揺れている状況。
国民も、維新と提携しようとしているのは前原+α。こちらも引き戻せるよう尽力したい。
維新は補完勢力であることは明らか。大阪府・兵庫県・京都府では戦い方に工夫が必要。
②政策について
選挙の政策と市民連合の政策は区別。また、絞るのか? 広げるのか? 議論あり。
中央での政策合意とともに、地域での政策合意は追求してほしい。
③市民連合の力について
力量強化、可視化も図りたい。
④運動のあり方について
2022年はオール沖縄による選挙が続く。提携を深めたい。改憲阻止を総かがり行動とともに行っていく。
様々な課題への取り組みは諸団体と協議しながら、自治体選挙についても可能な範囲で取り組んでいく。
⑤「政権交代」の評価について
緻密な議論、リアリティーのある議論が不足していた。

◆「まとめ」広渡清吾さん(学者の会)
2022年参院選では1/3確保できるかどうかの瀬戸際にある。確かな改憲反対議員は2019年は27人。2022年は少なくとも同数の勝利は必要。
立民は日和った、マスコミはネガティブキャンペーンを繰り返す。市民連合は、選挙だけではダメ、民意を変える運動をめざすべき。
市民が野党を結んで政権交代をめざしたプロジェクトである。「21世紀型の運動」をめざそう。政党は?組合は?どうあるべきか、市民の側から突きつける新しい市民運動を形成しよう。

以上です。
次回、全国意見交換会は2月5日(土)14時~、オンライン開催となります。
1月20日(木)に金子勝さんの講演会も予定。

なお、参院選については、改選議席数は124議席。比例区50、1人区32、複数区42。
32の1人区について、2013年は2、2016年は11、2019年は10議席勝利。

事務局・片山純子

総会が開かれました(2021.12.19)

福岡2区市民連合の皆さまへ

昨日、福岡市中央市民センター・第1会議室とZOOM参加の方、あわせて16人で総会を行いました。
本年4月以降の活動を振りかえるとともに、総選挙の結果について、意見交換をしました。

稲富修二さんは、中央区・城南区で2017年票を増やしています。城南区は相手候補と12票差でした。候補者の姿勢など、色々と思うところはありましたが、共闘によって他の野党支持者の票が上乗せにならなければ、惜敗・比例復活は難しかったと思います。また、福岡県内で、福岡2区だけが投票率が微増しています。
中央区では1%増、私たちだけでなく諸団体による、天神・六本松でのアクションが功を奏したのではないでしょうか。ただし、維新票が増えているのは、気になるところです(
総会での資料pdfファイル)。

福岡2区市民連合は、衆議院選までの期間限定で結成しました。
上記のような成果はありましたが、国政全体では自民・公明・維新の改憲勢力が3/4を占めています。
2022年参院選は、2016年参院選〈1人区32のうち11選挙区で野党が勝利したとき〉以上の成果を上げる必要があります。

ここ福岡県は、投票率が全国平均よりも低く、今回も上がっていません。2022年参院選では、投票率を上げて比例区票を増やすとともに、選挙区(定数3)では自民・公明・維新による3議席独占といった最悪な組合せを何としても阻止する必要があります。維新は、今回の衆議院選で、福岡県下では比例票を23万票獲得しています。すでに、自民〈大家敏志さん〉・公明〈秋野公造さん〉・立民〈古賀之士さん〉・共産〈真島省三さん〉らが立候補を予定、混戦模様の中で維新が擁立する可能性大です。

こうしたことを共有した後、存続に関して全員の意見を確認しました。
改憲を許さない戦いを、まだ活動は始まったばかりで終わるわけにはいかない、私たちが立憲野党を育て・まとめる気概をもとう等々の意見が出され、存続しようということになりました。

つきましては、規約の変更を行いました(左サイドバー参照)。下線部が変更した箇所です。ご確認ください。2021年11月3日までの会計報告は
ここにあります。

福岡2区市民連合の皆さまには引き続き会員継続をお願いしますとともに、年会費の納入もよろしくお願いします。

総会での資料
会計報告

以上
事務局・片山純子
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